南びわ湖エリア情報

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草津宿 追分道標は、街道と時間が合流するところ★草津市

江戸時代に、京都から江戸方面へ行くには、東海道中山道(なかせんどう)の2大街道がありました。滋賀県 草津市の「草津宿 追分道標」は、東海道中山道分岐点 です。旅人はここで、それぞれの道へと分かれて進みました。

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天井川(旧草津川)の下をくぐる中山道 と 追分道標

 

また、東日本から京都方面へ向かう旅人たちは、東海道から来た者も、中山道から来た者も、この草津で合流するのでした。 

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画像引用元:五街道てくてく歩き 【軌跡と記録】 | This Is Lybird-Blog

 

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画像引用元:東海道と中山道地図 | 世界の歴史まっぷ

 

 

目次

 

 

2大街道が合流し、過去と現在が合流する草津宿 

草津宿2大街道合流点であり、過去と現在が行き来する 時間合流点でもあります。「歴史的な風景」から 過去 を思い浮かべ、現在 の「街の勢い」を感じ、そして 未来 へとつながっていく草津市

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時の旅人 モニュメント

 

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鈴木典明作「時の旅人」  (草津市民センター前)

 

追分道標のすぐ隣に、どっかにワープする瞬間の人ような像が立っています。「時の旅人」と名付けられている、その名のとおり、過去と現在を行き来する街「草津市」をよく表していると思います。

 

 

過去の「歴史的な草津を思い浮かべる風景

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草津宿 追分道標 と 天井川(道標の後ろに写る壁は天井川だった旧草津川の堤防)

 

 

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草津宿本陣

 

 

現在の「街の勢い」を感じる 草津駅 

草津駅前と南草津駅前は、滋賀で最も勢いのある街です。滋賀県 草津市

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草津駅前の高層マンション群

草津駅前はもちろん、旧東海道沿いにも新しいマンションが続々と建っています。

 

 

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天井川(旧草津川)の下をくぐる琵琶湖線

 

東海道沿いではなく、中山道沿いの東海道線琵琶湖線) 

JR 琵琶湖線は、東海道本線滋賀県区間の呼び名です。東海道本線は、このトンネルの先の滋賀県区間では、東海道沿いではなく 中山道沿いを進み、その後 美濃路沿い中山道ルートから東海道ルートへと街道をのりかえてから 東海道沿い になります。このトンネルの先の草津駅から始まる 草津線東海道沿い という、ややこしいことになっています。

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画像引用元:東海道と東海道本線

 

 

家の2階の屋根の高さを流れる川があり、その川は天井川(てんじょうがわ)と呼ばれます。 「川のを電車が走っていレアな風景です。草津宿本陣の脇道を進んだところにある 過去(廃川になった旧草津川)と 現在琵琶湖線)が合流する場所です。線路の上を流れていた旧草津川は、今では廃川となり、もう水はながれていませんので過去形にしています。川の下にトンネルが掘られて JR の線路が通っていたのです。

 

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この天井川(旧草津川)は廃川になり水は流れていませんが、その下をはしるJR琵琶湖線はもちろん現役です。過去と現在がクロスする瞬間です。滋賀県の湖南平野には、たくさんの天井川が形成されています。

 

南びわ湖街道ウォーカー - 南びわ湖エリア情報

 

浮世絵に描かれた草津宿 

歌川広重の浮世絵 木曽海道六拾九次之内 草津追分

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画像引用元:木曽海道六十九次 - Wikiwand

草津宿 追分道標のすぐ上にあった中山道の 草津川「渡し場」の絵です。 川の方向と堤防の向きをデフォルメしているのか、本当に渡し場のところは堤防が下がっていたのかは分かりませんが、草津宿の要素を凝縮した絵になっています。草津川の川底は砂地で、奥には追分道標と東海道沿いの草津宿場のたくさんの屋根が見えています。屋根の高さに川が流れており、草津川(砂川)が天井川であることを表しています。

 

現在の場所で写真で表すとこうです。

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天井川(旧草津川)上から東海道の眺め

 

奥につづく道が東海道で、この真下が中山道のトンネルです。木の陰になって見にくいですが左下に 追分道標 があります。追分道標マンホールが写っています。天井川(旧草津川)の堤防の高さからの眺めです。高層マンションが増えていく~。

上の写真 は、トンネルの上にいる人  のところから撮っています。 

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追分道標の「左 中仙道 美のぢ」方面

このトンネルが旧中山道草津川マンポ)です。奥に進むと左手にJR草津駅があり、旧中山道をさらに進むと「守山宿」方面になります。

 

なぜ、中山道と書いて「なかせんどう」と読むのか? なかやまどうじゃないの? その答えが、この追分道標に書かれています。もともと「山」の字は、仙人の「仙」(せん)という字だったということです。だから、「なかせんどう」。その後で、文字が簡略化されて「中仙道」→「中山道」になったということ。ガッテンw

 

 

「美のぢ」は、美濃路 です。 

美濃路は、中山道の「垂井」(たるい)と、東海道の「熱田」を結ぶ 60km の街道。

説明のために、上と同じ街道図を再度 貼ります。

海の道山の道

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画像引用元:東海道と中山道地図 | 世界の歴史まっぷ

 

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中山道の途中で、東海道へワープする美濃(岐阜県)の道です。形が、ちょっと似ているので琵琶湖で例えると、「湖西側が中山道」で「湖東側が東海道」の位置関係に置き換えられます。そうすると美濃路はその位置から、「堅田」(滋賀県大津市)から 「守山市」へワープする「琵琶湖大橋」みたいなものです。

 

   美濃路 = 琵琶湖大橋

 

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画像引用元:美濃路 (みのじ)とは | 風人社 発行書籍・グッズ | 風人社の窓

 

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画像引用元:東海道と東海道本線

東海道線 東海道新幹線美濃路沿い を通っているのは、難所を避けられる道だからです。

 

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画像引用元: 江戸期の旅、七里の渡しは不人気ルート? 愛西の学芸員が調査: 天下普請 温故知新 歴訪御免

美濃路 は、「東海道鈴鹿峠、桑名ー熱田 間の渡し」や「中山道の木曾谷」といった難所を避けることができるためとても人気の街道でした。参勤交代の大名行列「象」が通った道です。

再び琵琶湖で例えて、「急がば回れ」の道で言い換えると、

距離が短い 東海道「近道・早道としての 矢橋道と舟渡し

遠回りだけど難所を避けられる 美濃路「着実な陸路としての 瀬田の唐橋

というようなイメージを持っています。街道は、そのとき、そのときの旅の状況によって使い分けられていたのだと推測しています。

 

大象の図 一龍斉芳豊 画 (尾西市歴史民俗資料館発行:美濃路-往きかう人々-)

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画像引用元:

清須市の美濃路 | 清須市インフォ: 愛知県清須市の地域情報を紹介するサイト

 

皇女和宮(16才)は1861年

徳川家茂のもとへ京から江戸へ「中山道」を通ってお嫁入り

「青天を衝け」で紹介されていた街道地図 

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画像引用元:大日本早引細見絵図 | 古地図コレクション(古地図資料閲覧サービス)

 

 

 

追分道標前のマンホールも道標になっています。 

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東海道 中山道 分岐点マンホール

 

 

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こっちが追分道標の「右 東海道 いせみち」方面

進むと草津市から栗東市へと入り、さらに進むと「石部宿」方面になります。

 

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画像引用元:マンホールカードの配布について|草津市

 

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草津宿マップ草津宿街道交流館前にあるマップ)

 

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道標マップ

画像引用元:

https://www.city.kusatsu.shiga.jp/shisei/shokai/2019kurashibenri.files/026_027.pdf

 

 

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中山道トンネルの横には階段があり、天井川跡の渡し場が再現されています。

 

 

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階段をのぼってみましょう!

 

 

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川の土手です。もともと川の土手だったので、そのままです。

 

現在の中山道草津川「渡し場」 

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草津川は 2002年 に廃川となり、現在では「草津川跡地公園」として整備されています。公園の名前は「de愛ひろば」です。ここが現在の中山道草津川「渡し場」です。

 

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土手から川の部分へ降りるところは、階段とベンチになっていたり、スロープになっていたりです。

 

 

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「de愛ひろば」は、夏には地面から噴水が出て、子ども達が大喜びではしゃぐ場所です。

 

 

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草津宿側の土手へは階段しかありませんが、草津駅側の土手にはエレベーターが設置されています。現在の 渡し場エレベーター付き!

 

 

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ベビーカーや車いすで、de愛ひろばにも、土手にもエレベーターで行くことができます。素晴らしい! これらの設備の維持管理費用が、公園内のお店の使用料や駐車料金などだけで税金を投入することなしにできているのであれば、永続可能で素晴らしいと思います。(今度、確認してみよう。)草津市は、公園などが整備されて住みやすくなり、さらに人口が増えていく。人口が増え税収も増えるので公園などが整備できるという良いスパイラルになっていると思います。

 

 

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中山道側も高層マンションが続々と増えています。

 

 

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天井川(旧草津川)上から中山道の眺め 

 

 de愛ひろばの駐車場(草津駅側)60台

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de愛ひろば には 駐車場 があり、1時間無料 なので、とても便利です。

 

 

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草津宿の歴史的な風景や、草津市の街の勢いに出会える「de愛ひろば」

駐車場が 1時間無料なので、30分ぐらいプラッと散歩するだけで良い気分転換ができます。街道ウォーカーだけでなく、近所の方の気軽な 散歩コース としても、とても おすすめ です!

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画像引用元:de愛ひろば(区間5)|草津市

 

de愛ひろば(区間5)の駐車場は2カ所あり、こっちの草津駅側の駐車場(60台)と、国道側の駐車場(40台)があります。 

ちなみに、JR草津駅の西口側にある「エイスクエアの駐車場 だと、2時間無料」です。

 

 

天井川ができるまで 

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画像引用元:

https://www.city.kusatsu.shiga.jp/shisei/seisaku/shikeikaku/sangyotoshisuido/kihonnkeikaku.files/4e94dcb3004.pdf

 

草津川へ砂を供給する草津川と金勝川の 源流がある山々

草津川は、「砂川」とも呼ばれた川です。湖南アルプス の山々は花崗岩(かこうがん)が多く、風化した花崗岩から出た砂が大量に川に流れ込み、琵琶湖の底砂を供給し、湖南平野を形成してきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

川底に砂がたまると人々は治水のために川底の砂を掘って堤防に積み上げ堤防を高くします。さらに砂がたまってくると水位が上がりやすくなり氾濫が増えるため堤防をさらに高くします。「砂がたまる→堤防を高くする→砂がたまる→堤防を高くする」を繰り返すうちに、川が地面より高くなって天井川ができあがります。

 

草津川 と 旧草津

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画像引用元:

https://www.city.kusatsu.shiga.jp/shisei/seisaku/shikeikaku/sangyotoshisuido/kihonnkeikaku.files/4e94dcb3004.pdf

 

草津市の人口が増え、旧草津川の氾濫の被害が甚大になりすぎたため、2002年に草津川と金勝川の合流付近に新しい放水路をつくり新草津川へ水の流れを切り変えました。

草津川は廃川となり、現在では「草津川跡地公園」などへの整備が進んできています。

 

 

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画像引用元:草津川

草津川 天井川として世界的に著名で、堤高は二階建ての家ほどもあり、JR東海道本線はこの川の下をくぐっている。天井川の例に漏れず、雨の少ない時期には約15kmが 涸れ川 となり、豪雨時には 暴れ川 となる。

 

この地勢により江戸時代から洪水が絶えず、1982年に建設省が約2km南に草津川放水路(新草津川)を着工。これは草津川と金勝川合流点(草津市青地町)から矢橋町までの5.5kmに新川を作るもので、2001年末には新川へ暫定通水された。

 

これにより草津川は湖岸から金勝川合流までの約7.5km、約52haが廃川となった。
←左は、以前国道一号線が草津川をくぐっていたトンネル

 

天井川の数、滋賀県が全国最多

国土交通省の調査によると、川底が周辺の地面よりも高い部分がある、「天井川」と言われる状態の川の数が、滋賀県は81本とダントツの1位だった。
天井川は、全国で217本、2位は京都府の23本で、滋賀と京都で全国のおよそ半数を占める。
それにしても、滋賀県天井川の数の81本というのは多い。

 

天井川は、自然と人が「作ってしまう」もの。

滋賀県のまわりには花崗岩の山が多く、また滋賀と京都には神社や寺が多いので、木材を大量に消費 し、木を伐採しすぎた荒れた山が増えたことが原因で、さらに排出される砂が増加したという視点。

 

 

交通・物流の要衝である「南びわ湖エリア」には 人・物・情報 が集まり、さまざまな 文化が合流 しています。 

 

 

 

草津宿ストリートビュー 

 

 

草津宿から立木神社まで の散歩レポートです。 

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草津宿の案内板 

 

 

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草津宿の看板、この左で「時の旅人」がワープしようとしています。

 

 

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過去(古い建物)と現在(マンション)が合流するストリートもまた、趣がある

 

 

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建設中のマンション

 

 

 

 

 

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和楽器の「花谷楽器店」と「城屋呉服店」が連なって建っています。
 

 

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屋根には、あの方が。

 

 

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鍾馗さん(しょうきさん)

 

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立木神社前

 

 

 

 

江戸方面 

中山道「伊砂砂神社」編 へ進む

東海道「横町道標」編 へ進む

草津宿 ←今ココ

東海道立木神社」編 へ進む

東海道 矢橋道との分岐点「矢倉道標」編 へ進む

京都方面 

 

 

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以下、ネット上の反応

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4/25(日) 第53回 草津宿場まつり★草津市 - 南びわ湖エリア情報