南びわ湖エリア情報

草津市・守山市・栗東市周辺の情報を発信していきます

琵琶湖、南湖のホンモロコ

琵琶湖の固有種である ホンモロコ は、とても美味しい魚として知られています。

川魚特有の臭みが無く、その美味しさから食用淡水魚として全国各地でホンモロコ養殖が広がっています。

コイ科のホンモロコは水田を利用した養殖が可能であるため、耕作放棄地や休耕田の活用、転作用作目としてホンモロコ養殖が注目されているのです。

 

全国各地に養殖が広がる 琵琶湖の固有種「ホンモロコ

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(写真は琵琶湖博物館ホンモロコ

 

長い記事になってしまったので、

最初に「まとめ」から w

一時期は絶滅が心配されるほどに激減した琵琶湖のホンモロコ

徹底した原因調査、湖魚復活への取り組みの成果で、回復のきざしが見えてきています。

滋賀県、すぎょい!

全国のすみずみまで流通網がしっかりと確立している日本において、おいしいお肉や新鮮な海の幸がいつでも手に入る今、淡水魚を食べる文化はうすれ、琵琶湖の環境問題や水産業に対して人々の関心を集めることは正直、難しいことです。しかし、ずっと経済成長を突っ走ってきた人々が、新型コロナや、人口減少社会を突きつけられて立ち止まった、このタイミングは、すべての人が生き方を見つめ直す良い時なんだと思います。抽象的すぎて雲をつかむような話ですが、私は、琵琶湖のホンモロコが増えていくことは、滋賀の自然環境、働きやすさ、生きやすさが増えていくことにつながっていくと信じています。最高の大自然の琵琶湖に、都会から疲れた人がやってくると元気チャージで復活して、日本の元気につながっていく!と

 

目次

 

 

「養殖」ホンモロコの生産量が多いのは滋賀県じゃないの?

埼玉県 が、養殖ホンモロコの生産量全国一 となっています。

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https://www.pref.saitama.lg.jp/a0904/honnmoroko.html

モツゴは、一度に産む卵の数が少ないなど、効率的な養殖が難しいため、当時の水産試験場(現:水産研究所)が、モツゴに姿形や調理方法がよく似ている 

ホンモロコの養殖技術の開発研究 に取り組みました。
平成4年、全国に先駆けて水田を利用した養殖技術を確立して普及を始め、

現在、18トン(平成29年)生産 されています。

「埼玉県民が愛する!ホンモロコ~埼玉・加須市~」

 

 

本場、滋賀県、琵琶湖の天然ホンモロコ の漁獲量は、1996年(平成8年)以降に激減し、ホンモロコの価格は急騰。

琵琶湖のホンモロコは高級食材となってしまいました。

琵琶湖のホンモロコ 漁獲量推移

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https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/2007583.pdf

この記事の中で、上のグラフは何度も出てきます。琵琶湖天然ホンモロコの漁獲量推移という指標を通して、琵琶湖の自然環境の移り変わりを見ていきます。 

 

琵琶湖の「鯛」、江戸時代のホンモロコ

琵琶湖の固有種である「ホンモロコ」は、今では琵琶湖での漁獲量が激減し高級魚となってしまいましたが、かつては庶民的な

「身近な魚」として、滋賀湖国、近江)や京都で、ずっと重宝されてきました。

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江戸時代の文献には、ホンモロコを含め各種モロコは、琵琶湖で最も多くとれる魚と書かれています。琵琶湖だけでなく水田の水路にもいて、多く取れる身近な魚でした。モロコの中でもホンモロコは「上品でおいしく格別」と評価が高く、見た目も美しいので、大切なお客様のおもてなしをする魚としても重宝されました。早春のホンモロコは、お腹に卵をもった「子持ちホンモロコ」となります。この旬の時期と重なる、京都のひな祭りの宴には必ず用意される、なくてはならない

「佳節の祝魚」(かせつのしゅくぎょ:めでたい日の祝いの魚)でした。

 

海から遠い内陸地である滋賀や京都の人々にとっては、琵琶湖でとれる「ホンモロコ」は新鮮でおいしく、おもてなしや宴席でもよろこばれる

「鯛」のような存在 として重宝される魚だったのです。

 

ホンモロコが「琵琶湖の鯛」のような存在であり、「佳節の祝魚」であることがよくわかる事柄として、2019年の大嘗祭の時に、滋賀から届けられたお供えの品である「庭積の机代物」は、茶、ヤマイモ、「焼きホンモロコの三品だったということです。

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「庭積机代物」に選ばれた 焼きホンモロコ

 

庭積机代物(にわづみのつくえしろもの)は、天皇陛下の即位に伴う大嘗祭で供えられる都道府県の特産物のこと。

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品目一覧引用元:【図解・社会】大嘗祭・庭積の机代物 都道府県の品目(2019年11月):時事ドットコム

 

大嘗祭(だいじょうさい、おおにえまつり、おおなめまつり)は、稲作農業を中心とした我が国の社会に古くから伝承されてきた収穫儀礼に根ざしたものであり、天皇が即位の後、初めて、大嘗宮において、新穀を皇祖(天照大神)及び天神地祇(すべての神々)にお供えになって、みずからもお召し上がりになり、皇祖及び天神地祇に対し、安寧と五穀豊穣などを感謝されるとともに、国家・国民のために安寧と五穀豊穣などを祈念される儀式のことです。
それは、皇位の継承があったときは、必ず挙行すべきものとされ、皇室の長い伝統を受け継いだ、皇位継承に伴う一世に一度の重要な儀式です。

 

 

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湖中産物図証 3巻. [1] - 国立国会図書館デジタルコレクション

江戸時代の彦根藩井伊直中(いいなおなか、第11代 井伊家当主が、

彦根藩士の藤居重啓(ふじいじゅうけい)に命じて制作させた

琵琶湖の生物図鑑「湖中産物図証」(こちゅうさんぶつずしょう)

 

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写真引用元:滋賀県立図書館 近江デジタル歴史街道 の「湖中産物図証」

藤居重啓は、琵琶湖 及び 余呉湖の調査にあたり、「湖中産物図証」を執筆しました。

 

この「湖中産物図証」に、ホンモロコの説明が書かれています。

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モロコ 漢名未詳

モロコ湖中最多ク或小溝溜水田間の流水ニモ

又アラス其形状数品アリ大凢圖上ニ見ヘタリ

其体扁ニシテ長ク其鱗次正直ニシテ脊白クミ

ユレトモ苔色ナリ頭色モ亦同シ眼大ニシテ口

光圓ナリ脊腹ノ中間ニ青黒褐色ノ一條文豎ニ

通リ腮下ヨリ下腹ニ至リ銀色脊鰭及其外ノ諸

鰭皆褐色尾ハ岐アリテ褐色ナリ晩冬以後春ニ

至り鮞ヲ有ス此魚雌雄分別シカタシ小ナルモ

ノ一寸或二三寸大ナルモノ頭尾共ニ六寸許ニ

至ル春二三月ヲ賞観ノ時トス京師上巳雛祭ノ

宴必此魚ナクテ叶ハサルカ如ク佳節ノ祝魚ト

ス此魚我藩ノ方言本モロコト呼漢名未詳

 

○一種頭細ク眼大ニシテ肩イカリテ惣身灰色

ニシテ鱗𪊘ク脊腹ノ際豎ニ苔色ノ一條文アリ

腹灰白色脊鱗及鰭皆倶ニ灰色ナルモノアリ此

レモ本モロコト呼フ前文に言フ處ノモロコト

雌雄ナリト云説ナレトモ然ト分別しカタシ此

二品ハモロコ中ノ上品ニシテ美味ナル𠃌格別

形品モ冝シク貴客ニモ供スル處ノ一魚ナリ漢

名未詳

 . . .

超訳

 

「本モロコ」

モロコ 漢名は分からない

モロコは琵琶湖中で最も多くいて、小溝の水溜りや、水田間を流れる水路にも

 又、生息している その形状は数種類ある 大きさはおよそ絵図上に見えるぐらい

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( 50.1 - 36.4 = 13.7 )本モロコの体長は 13.7 cm 

その体は、ひらたくて長く、鱗がまっすぐにならんでいる 背中は白く見えるが

緑がかった苔色である 頭の色もまた同じ 眼は大きい 口は

光っていて丸い 背中と腹の中間に青黒い藍色のひとすじの模様が頭から尾まで縦に

通っていて、エラ下より下腹は銀色 背ビレその他の各ヒレは全て藍色である

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   ↑ 「本モロコ」の図

尾はふたまたにわかれ藍色である 晩冬以後から春まで卵をもつ

この魚は雌雄の分別が難しい 小さいものは

3cm ~ 9cm で、大きいものは頭尾 18cm くらいに

至る 春2月、3月がおいしい時である 京都の桃の節句、ひな祭りの

宴では必ずこの魚が用意され、なくてはならない佳節の祝魚とされている

この魚を我が藩の方言では本モロコと呼ぶ 漢名は分からない

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「一種ノ本モロコ」

○同じ種類で、頭は細く眼が大きい、肩から分厚く体中が灰色

鱗は規則正しく並び、背中と腹のきわに苔色のひとすじの模様がある

腹は灰白色で、背中の鱗及びヒレは全てともに灰色のものがいる

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   ↑ 「一種の本モロコ」の図

これも、本モロコと呼ぶ 前文に言うところのモロコと

雌雄であるという説もあるが、そうと分別するのは難しい

この2種類はモロコの中で上品で美味しいこと格別である

姿かたちも良く大切な客をもてなすときの一選択肢となる魚である

漢名は分からない

. . .

超訳ここまで)

 

 

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「一種の本モロコ」より「本モロコ」のほうが顔が細く描かれている

「一種の本モロコ」の体の真ん中のひとすじの模様が藍色に見えることから

なんか、絵図と説明が逆なんじゃねと思ってしまったが、、、いいとしようw

「褐色」は藍色と解釈しました。

「豎ニ通リ」は、ホンモロコの魚の絵図としては横向きに描かれているから違和感があるけれど、頭から尾まで人間のように立った状態で「縦に通り」という意味だと解釈しました。

「鱗𪊘ク」は、鱗が表のようになっている→規則正しく並んでいると解釈しました。

 

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「身近な」秋の味覚 サンマも、今では高級魚になってしまった。

ホンモロコといっしょだ。。。

 

ところで、ここで問題です。

琵琶湖の鯛(タイ)と評されるのは、ホンモロコですが、

「琵琶湖の青鯛」(アオダイ)とは、何の魚でしょうか?

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答えは、「琵琶湖の青鯛」=ブルーギルでした。

ブルーギル=「琵琶湖ダイ」と呼ばれることもあります。

 

 

 

琵琶湖のホンモロコ 漁獲量推移

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https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/2007583.pdf

江戸時代の湖中産物図証に書かれているように、かつて琵琶湖のホンモロコは最も多くとれる魚のひとつで身近な存在でしたが、なぜ激減 してしまったのでしょうか?

 

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琵琶湖の南湖(なんこ)は、かつては ホンモロコ の産卵場所として主要な役割を果たしていました。が、今では南湖での ホンモロコ の産卵がほとんど確認できなくなりました。

 

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現在、ホンモロコの主要な産卵場所は、「伊庭内湖・西の湖」の周辺で、琵琶湖全体のホンモロコ資源の4~5割を産出しているとみられています。

 

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https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/2007583.pdf

 

 

「内湖」(ないこ)とは、琵琶湖と水路によってつながっている湖沼のことです。埋め立てられたものもありますが、琵琶湖には今、現在、まだ多く(23)の内湖(伊庭内湖、西の湖など)が残っており、ホンモロコだけでなく様々な種類の魚の産卵・稚魚育成場所として重要な役割を果たしています。

内湖のように水深が浅くて、岸辺の水際に植物が生い茂るような場所は、

魚が卵から生まれて育つ「琵琶湖のゆりかご」となっています。

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https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/38802.pdf

 

 

ホンモロコの主要な産卵場所が、南湖から「北湖の内湖」(伊庭内湖、西の湖)へと移っている現状を踏まえつつ、琵琶湖のホンモロコ漁獲量が激減した原因(よく議論されているもの)について考察していきます。

 

琵琶湖のホンモロコ漁獲量が激減

琵琶湖のホンモロコ漁獲量が激減した原因(よく議論にあがるもの)

①南湖をはじめ琵琶湖の湖岸整備が進み「人工湖岸」が増えた

②琵琶湖の水位調整(浅い所に産み付けられた卵が干上がる)

ブラックバスブルーギルなどの外来魚による食害

④インターネットの普及により、伊庭内湖や西の湖の周辺で「子持ちホンモロコ」が一般釣り人に釣られ過ぎた

⑤琵琶湖の漁師が減った(一般釣り人の分を入れたら、漁獲量はもっと多い?)

⑥日本では、淡水魚を食べる習慣がうすれ、そもそも無関心になっている

 

 

 琵琶湖のホンモロコ漁獲量が激減

■ ■ ■ ■ ■ ■ 

原因①:南湖をはじめ琵琶湖の湖岸整備が進み「人工湖岸」が増えた

琵琶湖の湖岸は、自然のままの「自然湖岸」と
コンクリートや石積みの「人工湖岸」があります。

自然湖岸は 3種類に分類でき、
植生が繁茂する「植生湖岸」(ホンモロコの産卵に必要)
砂や礫が卓越する「砂浜湖岸」
背後が山地斜面で傾斜の大きな「山地湖岸」に分かれます。

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https://www.lberi.jp/app/webroot/files/03yomu/03-01kankoubutsu/03-01-03research_report/no1/files/dai2syou.pdf


上の図を見ると南湖は、ほぼ黒い線で囲まれており、つまり南湖の湖岸は、ほとんどが「人工湖岸」であり、ホンモロコの産卵に必要な「植生湖岸」は、ほぼ無くなってしまったことが分かります。(図が少しぼやけていて、すみません)

 

ホンモロコは主に、北湖(ほっこ)の水深 5m以上の深さの沖合に生息していると言われています。

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写真引用元:ホンモロコ(琵琶湖) - 水中写真のすき間

春先になると湖岸や「内湖」や流入河川の浅瀬に移動して、水面近くの草木の根や、水際のヨシや水草などの植物に卵を付着させて産卵します。ホンモロコが産卵するためには、草木が生い茂る「植生湖岸」が必要となります。

 

 
ホンモロコは水面ギリギリの植物などに産卵する習性があります。

ホンモロコ養殖での産卵の様子です。

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浮かべられた人工産卵床に、ホンモロコが産卵している様子が分かります。水面ギリギリで、複数匹のホンモロコがバシャバシャと産卵しています。

 

ホンモロコが内湖などの植生湖岸で産卵するのは、卵が食べられないように、大型魚が入ってこられない浅瀬で、さらに小型魚にも食べられないように水面ギリギリに産卵するという習性なのだと思っています。また、卵から生まれた稚魚が食べて成長していけるように、プランクトンなどの餌が多い場所が選ばれているのだと思います。 

 

かつて 南湖は、春になると琵琶湖中の魚が集まり産卵する

琵琶湖で最大の「内湖(琵琶湖のゆりかご)の機能」を果たしていましたが、湖岸整備によって植生湖岸は失われ、ホンモロコの産卵には適さなくなってしまいました。

 

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https://www.kouiki-kansai.jp/material/files/group/3/1438043034.pdf

自然湖岸(植生湖岸)から人工湖岸へと、湖岸が整備されることで治水対策が万全になり、洪水は無くなったので人間にとっては安全で快適に住みやすくなりました。

しかし、その反面、琵琶湖に生息する多くの生物にとっては南湖という最大の「琵琶湖のゆりかご」機能を失うことになってしまったということが、ようやく分かってきました。

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http://www.city.moriyama.lg.jp/kids/documents/13sonohoka.pdf

上の資料を見ると、

南湖の東側(草津市守山市側)の湖周道路が、1992年 に開通しています。この前後の期間に南湖の東側の湖岸緑地や 湖岸整備 も合わせて進められたとすると、

1996年 からの ホンモロコ漁獲量の激減 につながっていくというのは、タイミング的には一致するというか、つじつまが合っていると考えられます。

 

琵琶湖のホンモロコ 漁獲量推移

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https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/2007583.pdf

 

1980年代~1990年代に南湖の湖岸は一気に整備が進み、そのほとんどが人工湖岸となったことで、南湖にはホンモロコの産卵に適した植生湖岸は、ほぼ無くなってしまったということ。

 

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https://www.shigaken-gikai.jp/voices/GikaiDoc/attach/Nittei/Nt11925_shiryo-b-301218-02.pdf

琵琶湖から大幅に失われた「植生湖岸」を復活させる動きとして、

水ヨシ帯整備計画が始動しています。

 

 

 琵琶湖のホンモロコ漁獲量が激減

■ ■ ■ ■ ■ ■ 

原因②:琵琶湖の水位調整(浅い所に産み付けられた卵が干上がる)

 

瀬田の唐橋の近くに琵琶湖の水位観測点(鳥居川)があります。

 

琵琶湖の水位観測点の一つである鳥居川。

この地点の琵琶湖の水位の振れ幅を、1874年~2016年の期間で見てみると

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https://satoyama.kenkyu.ryukoku.ac.jp/publication/8cd9a76d27a2b79ad6ade30304728d8f9088898b.pdf

約140年の間に、琵琶湖の水位は「年間中間値」としては 1m 程度下がっていることが分かります。また、「一年間の琵琶湖の水位サイクル」という視点でみると、梅雨や台風の洪水の危険がある時期には、あらかじめ水位を下げておく操作をすることで洪水リスクを抑えています。

琵琶湖の水位の操作は 瀬田川洗堰(せたがわあらいぜき)で行われています。

 

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https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/22101.pdf

1992年から行われている琵琶湖の水位操作として、梅雨の雨が続く時期(6月)に向けて 5月から徐々に琵琶湖の水位が下げられるというものがあります。

この「5月に琵琶湖の水位が下がる」ことが、ホンモロコの産卵の時期と重なっており、水面ギリギリに産卵された卵が干出(かんしゅつ:水面上に現れ出ること)してしまうことが問題となっています。

 

琵琶湖は、人為的な水位操作が行われるまでは、梅雨の雨が続く季節(6月)には水位は上がるという自然の水位サイクルで回っていました。琵琶湖の固有種であるホンモロコは、琵琶湖の水位が上がる梅雨の少し前の時期(5月)に合わせて、水面ギリギリの浅いところに卵を産む習性があるわけです。

 

しかし、この自然の水位サイクルは人間にとっては、住宅地や農地の「洪水のリスク」がありました。この洪水を防ぐために「水位が上がることを予測してあらかじめ水位を下げておく」という人為的な水位操作をするようになりました。

そうすると、水位サイクルのルールが変更がされたことで、産卵後のホンモロコの卵が干上がり(ひあがり:あるべき所の水が失せて、かわききる)、うまく孵ることができなくなっているという問題が発生したということです。また、それに伴って「琵琶湖の水止めたろか!」問題 が浮上してきたわけです。

 

「琵琶湖の水止めたろか!」問題は、

「(しがびと)滋賀人 vs. 京都人(きょうとびと)」の争い問題w

基本事例としては、田舎者扱いされた しがびと が、きょうとびとに向かって「琵琶湖の水止めたろか!」というやつです。

そうだと思っていたら、実はホンモロコ産卵を考慮した環境問題だったというのには驚きましたw

 

「琵琶湖の水止めたろか!」問題:

ホンモロコの産卵時期の5月に琵琶湖の水を止めて水位を維持するということ。

洪水リスクを抑えながら水位を維持する調整が求められ、担当者の頭を悩ませる問題

 

ホンモロコの漁獲量が激減した1996年(平成8年)の前年の

1995年(平成7年)の一年間の琵琶湖の水位 を見てみると

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https://www.water.go.jp/kansai/biwako/html/graph/index.html

 

「魔の1996」の前年、

1995年の一年間の琵琶湖の水位は、5月半ばから7月始めまで、ずっと水位が減り続けていることが分かります。下がった水位は 1m 以上あります。

 

[2020.10.28 追記] 

今年 2020年の琵琶湖の水位(ー赤線ー)を見てみます。

1994年は観測史上最低水位を記録(ーピンク線ー)、

1995年は観測史上最高水位を記録(ー青線ー)しており、

ホンモロコの漁獲量が激減した「魔の1996」の前の2年間は、琵琶湖の水位が大きく変動したということが分かります。

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https://www.water.go.jp/kansai/biwako/html/graph/index.html

 

今年、2020年の琵琶湖の水位変動は、5月~6月の区間で50cm以内になってます。 

5月、6月に大きく水位を下げずに維持されるようになっていますね。

瀬田川洗堰、すぎょい! 素晴らしい!

 

洪水リスクを抑えつつ、ホンモロコの産卵も考慮された細心の水位操作がされているのが伝わってきます。

琵琶湖の水は 瀬田川宇治川淀川→ 大阪湾 へと流れていきます。

琵琶湖の水位が上がったからといって、広大な琵琶湖の水を一気に流しすぎると細い川の水位は簡単に上がる(下流の洪水の危険)ので急激な操作はできません。なので、梅雨や台風の水位が上がると分かっているタイミングを見越して、あらかじめ水位をゆっくりと徐々に下げておくわけです。

6月の梅雨の水位のピークで洪水にならないようにしろ! ただし、短期間に一気に水位下げるの禁止でな」

これに加えて、ホンモロコ産卵時期に水位を下げないで!となり、

ホンモロコの産卵時期 5月、6月は、琵琶湖の水止めて!と無理難題の無理ゲーになっているわけです。本当に細心の水位操作がされていることに感謝です。

琵琶湖の水位管理担当者の方々に、

厚く御礼を申し上げます。 m(_ _)m

 

琵琶湖の水位を操作する瀬田川洗堰(せたがわあらいぜき)

全開放流の様子

 

琵琶湖の水位とホンモロコ漁獲量の激減との因果関係については、多くの調査が行われており、重大な課題として扱われ始めています。

 

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https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/22101.pdf


梅雨の前に水位を下げる操作が引き起こす問題が明確になり、洪水リスクを抑えながら生物にとっても問題がないようにしていく水位操作の試みがしっかり行われるようになっているのは、素晴らしいことだと思います。

  

 

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https://www.shigaken-gikai.jp/voices/GikaiDoc/attach/Nittei/Nt11925_shiryo-b-301218-02.pdf

 

琵琶湖の水位の変化とホンモロコ産着卵の干出状況の関連性について、しっかりと調査されています。グラフの「水位の目盛」が 5cm 単位 になっているのは感動です!グラフ目盛が 5cm ということは、広大な琵琶湖の水位を 1cm 単位で管理しようという意気込みが伝わってきます。さらに将来はミリ単位になっていくのか??産卵条件に即したホンモロコの資源回復のあり方について、対策が本格化してきています。琵琶湖の水位管理は、なーなーではなく、ガチになってるということ。
 

 

水田地域における生態系保全のための技術指針 Ver.1.0 (2019.9.30)
滋賀県立大学環境科学部

https://www.usp.ac.jp/user/filer_public/b4/8b/b48b3f87-cb7d-4a19-9710-2b1858413868/shui-tian-di-yu-niokerusheng-tai-xi-bao-quan-notamenoji-shu-zhi-zhen-qian-ban.pdf

ホンモロコの産卵が回復している内湖では琵琶湖の沿岸よりも水温が高いため、産卵期が早く水位が低下する前に産卵する個体が多い。
ホンモロコの産卵期間中は琵琶湖の水位を維持することが必要である。またホンモロコは内湖の流入河川において流速が早く、沈水植物がよく繁茂し、礫が多い場所に産卵する(亀甲他, 2014; Kikko et al., 2019)。

 

産卵基質がつねに洗われる場所で産卵することから、農業活動により濁水が河川等に流入すると産卵が阻害される可能性があるため、留意する必要がある。
また内湖で成長した稚魚は 6 月中旬から 7 月下旬にかけて内湖から琵琶湖に移動するが、この時期は、琵琶湖の水位低下に伴い内湖の水位を維持するため、内湖流出河川の河口にある水門が閉鎖されることがある。
長期間閉鎖されるとホンモロコ稚魚の移動が阻害される可能性があるので、定期的に水門を開ける等の操作を行う必要がある(Kikko et al. 2018)。

 

現在、ホンモロコの主要な産卵場所は、「伊庭内湖・西の湖」の周辺ですが、これらの内湖は春先(3月~4月)の水温が琵琶湖よりも高く産卵時期が早まります。

6月の梅雨に向けて水位が下げられる 5月までに卵がかえり稚魚が生まれることができ、水位問題をクリアしているのだとすれば、「伊庭内湖・西の湖」の周辺のホンモロコ、グッジョブ!です。

 

 

 琵琶湖のホンモロコ漁獲量が激減

■ ■ ■ ■ ■ ■ 

原因③:ブラックバスブルーギルなどの外来魚による食害

外来魚が在来魚を食べることで、在来魚が減っているという議論はよく聞くと思います。ただ、ここの議論に関しては、バス・フィッシングを楽しみたい人にとっては、外来魚(特にブラックバス)を擁護する見方になるし、外来魚駆除派の人と議論がぶつかることがあると思います。減少した在来魚(ホンモロコやニゴロブナなど)を増やしていくための様々な調査結果の考察や、両者の議論を十分に行って、良い方向へ進んでほしいと思っています。外来魚原因説については、勉強不足なのでまったく深堀りすることができません。。。今後、しっかりと勉強していきたいと思います。勉強した上で、自分の意見や判断基準が持てたら、また続きを書きたいと思っています。

 

滋賀県から出ている資料

オオクチバスブルーギルの増加後に、ニゴロブナやホンモロコの漁獲量が減っていることを示しています。

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https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/1012003.pdf

 

外来魚からの影響ということでは、琵琶湖の漁獲対象魚である「ワカサギ」も昔からいた魚ではなく、外来魚です。ホンモロコが激減した「魔の1996」の後から、ワカサギは急増しています。動物プランクトンがエサである点が、ホンモロコとかぶります。

ワカサギが増えることは、ホンモロコを食害することはないけれど、ライバルが増えることにはなると思います。

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         琵琶湖における漁獲量の推移

グラフ引用元:

滋賀県立大学 環境科学部 生物資源管理学科 - 教員一覧 大久保研究室

 

 

イメージって、すごく大事で重要だと思うのです。

琵琶湖の魚って、おいしそうっていうイメージ。琵琶湖のワカサギはおいしいっていうイメージ。実際に、琵琶湖のワカサギはおいしくて、外来魚だけど漁獲対象にもなり今後もうまく共存していけそうなイメージがあります。

 

ブラックバスや、ブルーギルも美味しく頂くイメージが大事なんだと思います。鉄腕ダッシュの外来魚を美味しく頂く企画みたいな感じで、もっとおしゃれに。

「やっぱ、琵琶湖のブラックバスって、うまいよねー」って。

 

外来魚の食害に悩むところから、外来魚を美味しく食していくイメージになったら、みんな食べたいから釣って、外来魚少なくなっていくっていうのが最高のパターンに思えます。これは、自分で釣って食べるところから、始めたいと思いますw

 

 

 琵琶湖のホンモロコ漁獲量が激減

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原因④:インターネットの普及により、伊庭内湖や西の湖の周辺で「子持ちホンモロコ」が一般釣り人に釣られ過ぎた

これは、原因のひとつとして正しいことが証明されているのだと思います。ホンモロコの産卵期間に、伊庭内湖(いばないこ)や 西の湖(にしのこ)周辺で魚の採取を禁止にしたら、ホンモロコの数が実際増えましたよってことです。

 

1995年に「ウィンドウズ95」が普及して、インターネットをみんなが使うようになって、これまでの口づたえや本で伝わっていた情報とは桁違いに、情報量が増え、スピードも早く、たくさんの人に伝わるようになりました。近年のSNSが普及してからは、なおさらです。琵琶湖の近くに住む地元の人だけが知っていた釣りの穴場などもすぐに知れ渡ってしまいます。ホンモロコがどこで釣れるのか、多くの釣り人が知って、多く釣れる方法で、おいしい「子持ちホンモロコ」を釣りまくってホンモロコが減っていたということです。

それが「採取禁止後の魚の増加」という結果から見えてきたということです。

 

産卵期間の魚の採取を禁止にしたら、翌年の魚の数が増えるという結果が出たから、みんなで産卵期間は釣るのやめて保護していこうという動き。もう、これはホンモロコ増えるって結果が分かっているんだから、すばらしい取り組みだと思っています。

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https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5158874.pdf

 

伊庭内湖や西の湖で、産卵期のホンモロコが保護されることで、次の年には増えて帰ってきます。 ホンモロコは産まれたところに帰ってきて産卵することが最近わかってきました。

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https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5202659.pdf

 

 

 琵琶湖のホンモロコ漁獲量が激減

■ ■ ■ ■ ■ ■ 

原因⑤:琵琶湖の漁師が減った(一般釣り人の分を入れたら、漁獲量はもっと多い?)

 

琵琶湖の漁師は、年々減っています。

また、70代の比率が最も多く、高齢化しています。

琵琶湖(滋賀県)の漁業従事者数の推移 

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https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5202659.pdf

 

琵琶湖 ホンモロコの漁獲量の推移

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グラフ引用元:びわ湖の漁業を取り戻す外来魚対策 水産資源をまもるための滋賀県の取り組み | 琵琶故知新

 

ホンモロコの漁獲量が減っているのは、そもそもホンモロコをとる漁師がいなくなってるでしょという視点。琵琶湖の漁師は徐々に減っているけれど、1996年(平成8年)の前に大幅に減っているとかではないので、ホンモロコ漁獲量が激減したことへの直接の原因とは言えなさそうに見えます。逆に、平成10年ぐらいから漁業従事者数の減り方が少し加速しているように見えることが、ホンモロコがとれなくなったことが原因である可能性はあるのかもしれません。

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https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5202659.pdf

 

ここで取り上げている視点としては、ホンモロコ漁獲量が減った原因」というよりかは、ホンモロコ漁獲量は、ホンモロコの生息数を表しているわけではないというところです。琵琶湖の自然環境の状態を推し測る指標として便宜上「ホンモロコ漁獲量」を使っているけれど、それは、琵琶湖のホンモロコ生息数は知ることができないからです。

漁業者が申告したホンモロコ漁獲量」という数字から、琵琶湖のホンモロコ生息数」を推測して、この数字を通して、その先に「琵琶湖の自然環境の状態を確認しようとしている」というのはおさえておかないといけないと思います。その数字から、何を見ようとしているのか?何を知ろうとしているのか?

 

原因④で見たように、遊漁者(一般釣り人)もホンモロコをたくさんとります。しかし、普段は、その漁獲量は知ることができません。ホンモロコの産卵保護のための調査で、伊庭内湖・西の湖周辺での遊漁者の漁獲量に関する数字が、ネット上にあったので見てみます。

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https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/2007586.pdf

 

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https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/2007583.pdf

 

 2013年に注目すると、

伊庭内湖周辺でのホンモロコ遊漁者漁獲量は 2.4トン

 西の湖周辺でのホンモロコ遊漁者漁獲量は 5.7トン

合わせて、8.1トン

これに対して、漁業者が申告している「ホンモロコ漁獲量」は 16トン

 

琵琶湖 ホンモロコの漁獲量の推移

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https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan/86/5/86_WA2728/_pdf

 

2013年の数字に注目してみると、

伊庭内湖・西の湖周辺の遊漁者のホンモロコ漁獲量が 8.1トン

漁業者が申告したホンモロコ漁獲量が 16トン

合わせると、2013年の琵琶湖のホンモロコ漁獲量は 24.1 トン

となっており、数字としてみていた「ホンモロコ漁獲量」に対して、遊漁者の漁獲量も、かなり大きな数字として表れてくるというのが確認できます。

細かい数字の増減に振り回されることなく、その数字から「何を知ろうとしているのか」を見失わないようにしないといけないなと思いました。

 

 

 琵琶湖のホンモロコ漁獲量が激減

■ ■ ■ ■ ■ ■ 

原因⑥:日本では、淡水魚を食べる習慣がうすれ、そもそも無関心になっている

原因⑤で見た琵琶湖の「漁師の減少」にもつながりますが、今の日本の状況で淡水魚を食べる習慣・文化は、かなりうすくなっています。人々の栄養源として淡水魚が必須だった時代とは違い、「食」の視点としては、琵琶湖の淡水魚へ向かう関心は本当に小さくなっているのだと思います。その関心度の大きさが、そのまま琵琶湖のホンモロコの漁獲量に現れているとも言えると思います。

琵琶湖 ホンモロコの漁獲量の推移

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グラフ引用元:びわ湖の漁業を取り戻す外来魚対策 水産資源をまもるための滋賀県の取り組み | 琵琶故知新

 

「食」の視点からは、とっても離れてしまった人々の関心は、どうやったら琵琶湖の淡水魚に向くのだろう?と考えると、すごく難題に思えてしまいます。しかし、琵琶湖のホンモロコの漁獲量を増やすことを続けていけたならば、答えが見えてくるんだと思っています。それは琵琶湖の自然環境がよくなることであり、琵琶湖の漁業者の労働環境がよくなり稼げるようにすることであり、琵琶湖の淡水魚がたくさん売れることであり、たくさん食べられることであり、、、やっぱり、そう簡単なことじゃないw

 

 

南湖のホンモロコを復活させる動き

琵琶湖で最大の内湖の機能(琵琶湖のゆりかご機能)をもっていた「南湖」。

伊庭内湖、西の湖での産卵時期のホンモロコ保護を続けながら、この「南湖」のゆりかご機能を復活させていくことが、根本的な「琵琶湖のホンモロコ復活」へとつながっていくと思っています。南湖のホンモロコを復活させる動きが始動しています!

 

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https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/1052952.pdf

 

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https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/2022983.pdf

 

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http://www.sizen-daigaku.com/~sizengaku/ariake-sanriku/news32arisan228.pdf

 

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http://www.hitoumi.jp/event/nanko.pdf

 

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https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5164342.pdf


 

 

琵琶湖の状況を写し出す ホンモロコ

何種類かの琵琶湖のホンモロコ漁獲量に関するグラフがネット上にありましたので引用させていただきます。なるべく直近の数字がのっている5つのグラフを見てみます。

 

琵琶湖のホンモロコ 漁獲量推移

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https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/2007583.pdf

 

琵琶湖 ホンモロコの漁獲量の推移

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https://www.shigaken-gikai.jp/voices/GikaiDoc/attach/Nittei/Nt11925_shiryo-b-301218-02.pdf

 

琵琶湖 ホンモロコの漁獲量の推移

f:id:minamibiwako:20201102085458p:plain

https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan/86/5/86_WA2728/_pdf

 

琵琶湖 ホンモロコの漁獲量の推移

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グラフ引用元:びわ湖の漁業を取り戻す外来魚対策 水産資源をまもるための滋賀県の取り組み | 琵琶故知新

 

琵琶湖 ホンモロコの漁獲量の推移

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https://www.mlit.go.jp/toshi/daisei/content/001354949.pdf

 

5つのグラフとも、使われている数字の元はいっしょだなと分かります。

この記事の中で、これらのグラフを説明のために各所に貼り付けています。

 

 

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http://www.ex.biwa.ne.jp/~fishlake/kokai/tyukiKeieiKeikaku3.pdf

 

琵琶湖 ホンモロコの漁獲量の推移

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グラフ引用元:びわ湖の漁業を取り戻す外来魚対策 水産資源をまもるための滋賀県の取り組み | 琵琶故知新

 

かつては、300トン以上とれていた琵琶湖のホンモロコは、

2004年(平成16年)に 絶滅が心配される 漁獲量 5トン にまで激減しました。

2016年(平成28年)に 漁獲量 15トン、

2017年(平成29年)に 漁獲量 19トン、

2018年(平成30年)に 漁獲量 30トン、まで回復しました。


「琵琶湖の指標であるホンモロコ

琵琶湖のホンモロコ漁獲量は、琵琶湖の環境を含め あらゆる状況をごまかし無しに写し出す指標になっていると思っています。琵琶湖の自然環境を復活させるという「めざすゴール」に向かうための進捗確認の指標として、琵琶湖「ホンモロコの漁獲量」のウォッチを続けていきます。今、注目の指標は何ですか?と聞かれたら「琵琶湖のホンモロコの漁獲量です。」と答える あなたは、きっとモテます!

 

草津ホンモロコ」というブランドがもつ意味

琵琶湖のホンモロコ絶滅か?と心配していたら、滋賀でもホンモロコの養殖がはじまったとニュースを聞き頑張ってほしいと思い、草津ホンモロコってブランドができたぞとなったときにはワクワクしました。

 

滋賀県の「琵琶湖の自然回復」の動きと並行して、草津市が養殖ホンモロコに力を入れてくれることは、南湖のホンモロコ復活にとても大きな希望を感じさせてくれました。さすが!、国と滋賀県は、琵琶湖の自然という最強の潜在ポテンシャルの価値を分かっている(琵琶湖保全再生法)。草津市は、JR沿線側での「街の発展」と、琵琶湖岸側での「自然の発展」の両輪で進んでいこうとしているんだと、大賛成の思いと将来へのワクワクする展望を持ちました。「草津ホンモロコ」は、実質はどうだったの?というよりは、気持ちの上での

『忘れられていた「自然の発展」を取り戻す再出発』のシンボルになっているのだと感じます。絶滅しかけた琵琶湖のホンモロコを「草津ホンモロコ」が復活させたんだよというイメージをもっている人は多いからこそ、応援されるわけです。

 

草津ホンモロコ」は、養殖ホンモロコなんだから、「自然の発展」にならないじゃないかという意見があると思います。これは、一度、人間が壊してしまった自然を取り戻すのには、人間が自然を修復していく必要があると考えています。30年かけて自然を壊したなら、30年かけてでも自然を回復させていく。絶滅寸前にまで減ってしまったホンモロコは、養殖技術を使ってでも復活させていくということです。ホンモロコの養殖技術も、天然ホンモロコの復活に役立つという意味では、「草津ホンモロコ」が「自然の発展」につながるという考えです。

海活インタビューの8回目は山田漁業協同組合の横江久吉組合長。漁獲量が豊富だったかつての琵琶湖を取り戻そうと、水草の除去、琵琶湖の固有種であるホンモロコやニゴロブナの養殖と放流を行っているほか、小学生らに琵琶湖の現状を知ってもらう取り組みを進めています。横江組合長に琵琶湖への思いなどを聞きました。

 

街の発展側に偏りすぎて壊してしまった自然だけど、無くして初めてその価値を理解し、そこから反省して、徹底した調査と自然回復への実践を試行錯誤することで、徐々にホンモロコに象徴される「自然」は復活してきていると感じます。琵琶湖の「天然ホンモロコの復活」は、目指すべき重要なゴールです。この「めざすゴール」に近づくとき、潜在していてまだ気づいていない価値を含めて、滋賀・琵琶湖に関わる人々が多くのことを取り戻すのだと思っています。観光・ビジネス・生活・自然環境などあらゆる面で、一度失ってしまった琵琶湖の自然の恩恵を取り戻すことになるのです。

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毎年、草津ホンモロコを楽しみにし、道の駅に「草津ホンモロコ」を買いに行くと、おととし(2018年)ぐらいからスタッフの方たちの顔から、試食した草津ホンモロコ自体からも、なんだか少し元気が減ってしまった??と感じました。スタッフの方と話をしてみると、なんとなく、こんな感じなのかなと思いました。琵琶湖の天然ホンモロコの漁獲量が回復して増えてくると、ホンモロコ相場が下がり、ホンモロコ養殖がコスト的にペイしなくなってしまう。

 

一市民としては、「草津ホンモロコ」のシンボルとしての価値だけで、しばらくは十分じゃないかと思ってしまいますが、草津市という行政の下で養殖「草津ホンモロコ」事業をやるとなると、税金を使うことになるので「実質・実績」を求められる厳しい状況なのだと感じました。実際、ホンモロコ養殖は、少なくとも草津市では、民間へは大きな広がりを見せていないと思います。「めざすゴール」には近づいているけれど、「ホンモロコ養殖は稼げて、儲かるんだよ」と示すことは難しくなったということだと理解しています。

 

かつては、300トンとれていた琵琶湖の天然ホンモロコが、5トンまで減って、2018年には30トンに回復しています。1996年、ホンモロコが獲れなくなってから20年以上という期間は、日本中で、滋賀中で「淡水魚を食べる」という文化・習慣がうすれ、ほとんどなくなっていった期間と重なっているのだと思います。子どものときに淡水魚をよく食べたという高齢者は、今でも淡水魚を買ってでも食べます。子供のころに淡水魚を食べなかった世代は、ものめずらしさから淡水魚を食べたとしても、それっきりになってしまうのです。高齢者以外の世代は、おいしいお肉や新鮮な海の幸が安く手軽に手に入る中、「高い」淡水魚を食べるという選択はしません。若い世代は、そもそも「淡水魚が食べられるもの」なんだということを知らないということ。子供のころの食習慣というのは、その地域の食文化に多大な影響をあたえるのだということが分かります。いったん途切れてしまった食文化、食習慣は、天然ホンモロコが獲れるようなってもそう簡単にはもどりません。需要がないのに、天然ホンモロコが多く獲れたら、値段は下がります。これから、時間をかけて「ホンモロコを食べる」食文化・食習慣を築き直していくことが必要です。焦っても、激ムズ、無理ゲーです。また、観光業に相関が濃い「ものめずらしさの食需要」は、近江牛に見られるように、この新型コロナでインバウンド・国内旅行が壊滅すると、全く売れなくなることも学びました。琵琶湖のホンモロコ漁獲量は、日本の滋賀の食文化や、観光の指標でもあることが分かります。売れない魚は獲られないからです。

 

草津ホンモロコ事業は、平成30年度で事業終了?だとしたら、とても寂しいです。

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https://www.mlit.go.jp/toshi/daisei/content/001364107.pdf

国土交通省の資料ってことは、お金の出どころは草津市じゃなくて国ってことか?補助金は出なくなったけど、草津市→民間という形で、「草津ホンモロコ」事業は継続なのか?

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https://www.ja-kusatsu.or.jp/wp-content/uploads/2016/03/JA%E3%81%AE%E3%81%BE%E3%81%A93%E6%9C%88%E5%8F%B7.pdf

2016年(平成28年)の資料には、草津ブランドとして「草津ホンモロコ」が入っているけれど、2020年(令和2年)、今の草津市のHPからは、なくなってる。。。「琵琶湖からすま蓮根」に変わってます。

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https://www.city.kusatsu.shiga.jp/citysales/tokusanhin/tokusan/index.html

 

これまでの草津ホンモロコの情報開示方針のおかげで、滋賀県の各地で、観光をからめた小規模なホンモロコ養殖や、教育向けアクアポニックス(対象魚として、食べられるホンモロコを育てる)は広がっていると思います。

 

今、全国に広がっているホンモロコ養殖に対して、草津市の「草津ホンモロコ」の養殖技術の情報が、役立っていることは間違いありません。採算が合わず、予算がかけられなくなるのは分かりますが、開示していた情報を消していくのではなく、養殖を縮小するにせよ、これまでの成果である養殖技術の情報(休耕田におけるホンモロコ養殖マニュアルなど)をしっかりと開示して、全国のホンモロコ養殖発展に貢献する重要さを再確認してほしいと思っています。琵琶湖固有種であるホンモロコの情報を、滋賀県草津市が発信することの信頼度の高さよ。これが、実質でなくイメージがもつ「ブランド力」なんだと思います。

 

全国に養殖ホンモロコが広がるということ は、そもそも淡水魚を食べる習慣がない若い世代にとって、「淡水魚って食べられるんだ」と体験してもらう必要不可欠な第一歩であるわけです。淡水魚をはじめて食べた人の中で、「んっ、ちょっと、おいしいかも」って人が 1% でもいたらラッキーです。ホンモロコについて調べてみたら、「琵琶湖の固有種らしいぞ」となれば、琵琶湖のホンモロコを食べずにはいられなくなるでしょう。この琵琶湖ファンになってもらう第一歩として、「淡水魚を食べる体験」を若い世代にしてもらう牽引役になれるのは琵琶湖八珍の中でもやはり、ホンモロコ なんだよということです。(ホンモロコの、その先は「ビワマス」)。

 

ホンモロコ養殖という形で、全国に琵琶湖につながる淡水魚を広げていけるのは、今のところホンモロコしかないのです。全国にホンモロコ養殖が広がることは「淡水魚を食べる」食習慣を築くのに、とても重要であるわけです。日本の食料自給率もアップ!

・安く身近なホンモロコが広く出回り、「淡水魚を食べる」という体験をしてもらうということ。

・そして、ホンモロコを食べてくれたならば、おいしい!って思わせる実力がホンモロコにはあるということ。

・全国にホンモロコ養殖が広がることは、琵琶湖の淡水魚のブランド価値を高めるということ

まずは、「淡水魚って食べられる」と知ってもらうところから。

知ってもらえたら、淡水魚を食べることが身近になったら、

その先は、本場の「琵琶湖」へと必ずつながって来る!

かなり、水産業よりの視点だなと思われるかもしれません。琵琶湖の自然を「生活の糧」とする水産業や、琵琶湖周辺の観光業(釣り業界を含め)の人々が、まず琵琶湖の自然の恩恵により「儲かるんだ、稼げるんだ」と再確認するということ。そうなることが、琵琶湖の周辺地域が本気で「琵琶湖の自然回復」を考えるようになる近道だと考えています。

 

 

で、何が言いたいかというと

草津ホンモロコ」は、大成功 だということです。

天然ホンモロコの漁獲量が増えるということは「めざすゴール」へ近づいているということです。琵琶湖産、天然ホンモロコがとれる滋賀県で、養殖ホンモロコがペイしないって、どれだけ正しい一歩を進められているかということです。

草津養殖ホンモロコ」っていうブランドではなく、草津ホンモロコなのです。草津市の天然草津ホンモロコを釣りに、琵琶湖に来てください!という方向にブランドの意味合いが切り替わっていくのは、大成功で進んでいる正しい流れだと思っています。

草津市の漁師さんたちに頑張ってもらい草津市でとれた、おいしい琵琶湖産、天然「草津ホンモロコ」を食べに、草津市へ来てください!通販でも天然「草津ホンモロコ」買って食べてください!っていう方向にブランドの意味合いが切り替わっていくというので、正しいし大成功でしょと思います。もちろん、これが実現するということは、南湖が北湖と同じぐらい「きれい」になることでもあります。今、琵琶湖をよく知る滋賀県民が「南湖」でとれた魚を食べたいと思うか?と問われたら、それは否だと思います。アオコとか水草だらけとかの南湖のイメージが北湖のように「きれい」になることは必須です。そうなれば、養殖「草津ホンモロコ」は、天然「草津ホンモロコ」へとバトン(希望)を渡したということになるのです。このバトン(希望)を創ったんだという意味で、「草津ホンモロコ」は大成功だと思っています。「草津ホンモロコ」は実績無いとかの小さいレベルでなく、イメージ戦略として、とんでもなく大成功しているんだよってこと。

 

滋賀でのホンモロコの陸上養殖は、休耕田などで行う「食用ホンモロコ生産」が目的という方向から、低コスト小規模アクアポニックスなどの形で、「観光や教育」が目的である付加価値にからめた養殖の方向に切り替わっていくのだと思われます。

 

そして、琵琶湖産の天然ホンモロコは、

草津ホンモロコに続き、守山ホンモロコ、大津ホンモロコ

南湖だけじゃなく北湖にもブランド設立が広がり、野洲ホンモロコ近江八幡ホンモロコ沖島ホンモロコ、伊庭内ホンモロ湖(東近江ホンモロコ)、高島ホンモロコ彦根ホンモロコ米原ホンモロコ、長浜ホンモロコと滋賀の各地で釣り大会や、投網大会、ホンモロコのサイズや数を競い合うぐらいに、琵琶湖中でホンモロコがとれまくる未来が見えてきています。ホンモロコ釣りが大ブームになって、日本中から観光客が滋賀県へ押し寄せるのです。

 

こんな琵琶湖を、こんな南湖を復活させられたら、素敵ですね!

昭和38年~41年ごろの草津

http://www.932potal.net/cont12/syosai.php?id=13

そのころの自然の素晴らしさ
 まだそのころは自然のすばらしさがありました。雨が降る6月のある日に「今日は魚島の雨だ」と地元の人が言われました。私の知らない言葉です。数日後、同じように雨が降る日に琵琶湖へ行ってみると湖岸にフナ・コイ・ナマズがいっぱいいます。魚が群れて黒い島のようになっている様子から『魚島の雨』と言うそうです。魚たちは産卵のために琵琶湖から川や水路に上がってきます。全国でもこのような自然のすばらしい所はなく、私はよく人に自慢していました。

 今では養殖しか見られない ホンモロコ も、志那や下物の湖岸にたくさんいました。

 

よく見ていると琵琶湖の沖に数キロにわたってさざ波が立つんです。ホンモロコの群れです。ホンモロコは産卵のため湖岸の柳の木の根元やヨシに向って押し寄せてきます。網をつけた長い竿で200~300匹くらいすくって獲りバケツに入れていました。

 

出勤前に(今の価値にしたら)たぶん、数万円分も獲っていたことになります。ホンモロコは世界一おいしい魚だと思っています。

 コイは産卵時期に1匹のメスに5~6匹のオスが周りについて泳ぎます。メスが岸の手前でくるりと方向を変えると、対応しきれないオスが浜に打ち上げられバシャバシャして、そこを手づかみで獲ったこともあります。

 昭和42~43年ごろまではボテジャコが泳ぐ姿もいっぱい見えました。琵琶湖の水がきれいだったころの話です。

 

 読んでいただき、本当にありがとうございました。

 

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以下、ネット上の反応